学級経営に生きる「小さな道徳授業」をつくる /// 第5回 重要なポイントで活用する【解説編】
連載第5回 重要なポイントで活用する【解説編】
教師のチカラ編集委員 鈴木健二
より実践的に取り組んでいただくために、この連載は「問題編」と「解説編」に分けて公開しています。
本編は「解説編」ですので、「問題編」を読んでいない方は、「問題編」から読むことを推奨します。
- 活用時期と「ねらい」を検討する
- 授業プランを開発する
1.活用時期と「ねらい」を検討する
運送会社のキャッチフレーズ「まごころこめておつきあい」を、どんな時期に、どのような「ねらい」で活用すると効果的だろうか。
例えば、次のような時期が考えられる。
・人間関係が少しずつできあがり、お互いが慣れてきた時期
慣れてくると、相手に対する態度が雑になったり、力の強い子どもが傲慢な態度をとったりするような姿が見られるようになる。
そのような時期に、次の「ねらい」で「小さな道徳授業」を実施するのである。
日頃の友だちに対する態度について振り返り、これまで以上に「まごころこめておきあい」していこうとする意識を高める
2.授業プランを開発する
「ねらい」に迫るためには、どのような授業を構成すればいいだろうか。
以下、授業プランを示す。
①キャッチフレーズと出会う
「ある運送会社のトラックにこんな言葉が書かれていました」と言って、「まごころ」を空欄にした写真を提示する。
空欄に入る言葉を考えさせる。
次のような言葉が出されるだろう。
・にこにこ ・大切な ・思いやりのある ・すてきな ・楽しく
考えが出尽くしたところで、「まごころこめて」であることを知らせる。
②「まごころこめて」の意味を話し合う
〈発問1〉ただの「おつきあい」と「まごころこめておつきあい」はどうちがいますか?
次のような考えが出されるだろう。
・ただの「おつきあい」は、あまり相手のことを考えていない表面的なおつきあい
・「まごころこめておつきあい」は、相手に対する思いやりのあるおつきあい
③自分の態度を振り返る
これらの考えを受けて発問する。
〈発問2〉自分は、どちらの「おつきあい」をしてもらいたいですか?
大半の子どもは、「まごころこめておつきあい」を選ぶだろう。
「ほとんどの人が、まごころこめておつきあいをしてほしいと思っているんですね」と確認して発問する。
〈発問3〉あなたの友だちとのつきあい方は、「まごころこめておつきあい」していると思われているでしょうか。
4段階(思われている…4 まあまあ思われている…3 あまり思われていない…2 思われていない…1)で自分を振り返らせたあと、「まごころこめておつきあい」に近づくために実行していきたいことを考えさせて授業を終える。
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