【前編】歴史とごはんと~社会科資料集6年~

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日本標準

みなさんの好きな食べ物は何ですか?
歴史で学ぶことの1つに、人のくらしのうつりかわりがあります。歴史が進むにつれて、私たち人間の食事も変化していきました。社会科資料集6年では、日本のうつりかわりについて、主なできごと、主な人物と文化遺産、そして食事の様子の視点で、それぞれ年表でまとめています。
今回は食事に注目しながら、社会科資料集6年を使って平安時代までの歴史を見ていきましょう!

1.狩猟と農耕とごはん (縄文~弥生)

狩りや漁をしてくらす縄文時代から、米づくりが各地で行われるようになった弥生時代にかけて、くらしと食事はどのように変化したのでしょうか。

縄文時代

縄文時代

社会科資料集6年では、縄文時代の人々がどのようなくらしをしていたかを見開きでまとめています。
見開きごとに設定されている「学習のすすめ方」で、縄文時代の紙面では、①住んだ場所 ②使った道具 ③食べ物 の順番に資料を確かめることができます。
③食べ物の資料(上の図/社会科資料集6年23ページ掲載)では、食料を手に入れる方法や季節ごとに、縄文時代の食べ物がまとまっていて、児童が想像しやすい内容となっています。

縄文時代の食事

資料の通り、縄文時代の人々は採集や狩り、漁などで手に入れた自然にあるものを食べていました。
縄文土器を使って食べ物の煮炊きができるようになると、さらに食べられるものが増え、食生活が豊かになっていきました。

他にも、どのような道具で食料を手に入れたか、どのような形の縄文土器があるかなど、豊富な資料が多数掲載されています。社会科資料集6年の紙面やしゃかWEBで、ぜひ実際に確かめてみてください!

弥生時代

弥生時代

縄文時代のページをめくると、弥生時代の人々のくらしを、縄文時代と同様に見開きで見ることができます。
また、特別な折り込みページ「縄文と弥生を比べてみよう!」(社会科資料集6年25ページ)では、縄文時代と弥生時代の ①むらの様子 ②道具のちがい ③食べ物のちがいを簡単に比較できる工夫がされていて、使いやすさ抜群!

縄文時代と比べて、弥生時代ではどのようなものを食べていたのでしょうか。

弥生時代の食事

弥生時代では、大陸や朝鮮半島から伝えられた米づくりが日本の中で各地に広がっていきました。
米は、土器を使って炊いたり、蒸したりして食べていたと考えられています。

しかし、米づくりが広がっていくと、土地や水、たくわえた食料をめぐって争いが起こるようになりました。

2.貴族と庶民とごはん (飛鳥~平安)

時代は進み、大陸に学びながら天皇を中心とした国づくりが進められ、政治の仕組みが整えられていきました。
現在の奈良や京都には都が置かれ、貴族とよばれる人々がはなやかなくらしをするようになりました。

奈良時代の貴族の食事

奈良時代

飛鳥・奈良時代では、大陸に学びながら天皇を中心とした国づくりを進め、法隆寺が建てられたり、大仏がつくられたりするなど、仏教が広がっていきました。また、中国(唐)の都(長安)を手本に、現在の奈良県に平城京がつくられました。
平城京には各地から米や特産物が集まり、貴族の食事はとてもごうかなものであったと考えられています。

貴族の食事
参考資料:「奈良文化財研究所による古代食膳の復元」
(『歴史的脈絡に因む遺跡の活用 -儀式・行事の再現と地域間交流の再構築-令和2年度遺跡整備・活用研究集会報告書』奈良文化財研究所)

現代でもごちそうと呼ばれるような特産物がずらりと並んでいて、まるでおせちのようですね!社会科資料集6年では、奈良時代や平安時代の貴族の食事を復元した写真が掲載されています。

庶民の食事

庶民の食事

貴族のごうかな食事と比べて、庶民の食事は質素なものだったようです。

閑話

うなぎ

ところで、8世紀につくられた「万葉集」という和歌集には、ある食べ物に関して次の歌が残されています。(社会科資料集6年の37ページにものっています)

いし麻呂まろに われ物申す 夏痩なつやせに 良しといふものそ むなぎ
(意味:石麻呂に私は申し上げた。夏痩せによいと言われるうなぎを捕まえて、めし上がりなさい。)

この歌は、奈良時代の歌人・大伴家持が詠んだものです。
今でも、夏になるとうなぎを食べることがよくありますが、この和歌からは、奈良時代の人々の間でも、夏にうなぎを食べると体に良いと考えられていたようですね。

ちなみに、夏にうなぎを食べる習慣については、今から約250年前の江戸時代にもとあるエピソードがありました。そのお話は後編をお楽しみに!

3.貴族の食事にある謎の食べ物「」とは?

貴族の食事には、とてもたくさんの種類の食品が並んでいますが、その中にある「」という食べ物はあまり聞いたことがありません。「」は、牛乳からつくられた乳製品ですが、どのような食べ物だったのか、今でもはっきりとわかっていないそうです。

チーズともヨーグルトとも言われている「」。
はっきりとわからないけれども、牛乳から作られている「」。

現在では見慣れない食べ物だからこそ、今回はJAグループ(農協共同組合)のレシピを参考に実際に作ってみました!

調理 ※火を使うので、必ず大人と一緒に行ってください。

完成

蘇~完成品~

チーズのような少し酸味のある香りに、ベイクドチーズケーキのような風味がするやさしい甘味、しっとりホロホロな舌ざわり…。牛乳を煮詰めただけですが、こんなにも複雑な香りや味がすることに驚きました。時間はかかりますが、とても手軽に作れるので、夏休みや冬休み中に作るのはいかがでしょうか?

蘇のアレンジレシピをただいま絶賛大募集中です!コメント欄に記入していただいたレシピで、追加動画の作成も…?

4.歴史とごはんと~後編予告~

後編予告

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