学級経営に生きる「小さな道徳授業」をつくる /// 第4回 図書室で発見しよう!【解説編】

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日本標準

連載第4回 図書室で発見しよう!【解説編】
教師のチカラ編集委員 鈴木健二

より実践的に取り組んでいただくために、この連載は「問題編」と「解説編」に分けて公開しています。

本編は「解説編」ですので、「問題編」を読んでいない方は、「問題編」から読むことを推奨します。

問題編を読む

1.本の帯に着目しよう!

「小さな道徳授業」の素材になりそうな本を、より効果的に活用するためのポイントは何だろうか。ここでは、二つのポイントを挙げておきたい。

より効果的に活用するポイントの一つ目は、本の帯に着目することである。

しかし、残念なことに図書室の本は、本の帯が外してあることが多い。本の帯には、書店で読者に手に取ってもらうために、さまざまな工夫がしてある。

だから、「小さな道徳授業」を創る上で、本の帯を活用できないのはとても残念なことなのである。

 

インターネットで検索してみると、『心ってどこにあるのでしょう?』(金の星社)の場合には、次のような帯が付けられていた。

 

むねでしょうか?あたまでしょうか?
心って いったい どこに あるのでしょう?

 

この帯と表紙があれば、「小さな道徳授業」はほぼ完成したようなものである。

帯が外してある場合には、インターネットで検索して、どんな帯が付けられていたか確認してみよう。「小さな道徳授業」に活用できるヒントを得られる場合が多いはずである。

 

2.表紙の折り返しに着目しよう!

本の表紙と帯に着目するだけでも「小さな道徳授業」を創ることができるが、さらに着目したいところがある。

それは、表紙の折り返しに書かれている言葉である。

これが二つ目のポイントである。

そこには、その本で伝えたい内容や考えてほしいことが書かれている。

『ピン!あなたのこころのつたえかた』(ポプラ社)の場合には、次のような言葉があった。

きみの おもいを

「ピンッ」と すると、

だれかが きみに

「ポンッ」と かえしてくれる。

それが こころの つうじあい。

きみは、どんな「ピン」を

なげてみる?

「こころのつうじあい」とはどういうことなのかが子どもにもイメージできるように表現してある。

さらに問いかけまであるので、表紙と関連づけて活用することによって、より深い学びを促す「小さな道徳授業」の開発につながる。

 

活用したい本の構成の工夫に着目することによって、2つのポイント以外にも、さまざまなポイントが見えてくる。

この夏、図書室は「小さな道徳授業」開発ラボに変身する。

 

※ 図書室の本を活用して「小さな道徳授業」を行ったら、読み聞かせをしたあと、しばらく学級文庫においておくとよい。子どもたちの意識がさらに深まるはずである。

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