言葉が、人を傷つける時代
11月20日の日曜日。気持ちの良い青空が続いていたが、今朝は薄曇りの空だ。
今、世の中では、言葉の軽さや空しさが広がっている気がしてならない。
「全力で」「前向きに」「覚悟を持って」「早急に」というような言葉を、とにかくよく聞く。
結局その結果は、言葉とは反対に、あいまいで、消極的で、時間がかかることが多い。
コロナ禍で、学校が一斉休校になったとき、子どもの面倒を見なくてはならない親に対する(働けないことへの)補償がどうなるのかを聞かれて、「つまんないこと聞くね」と言った人がいた。麻生元総理だ。
これに対して「そのつまんないことの中で、私たちは何とか生きているのだ」と言ったのが、俳優の大竹しのぶさん。
「自助、共助、公助、そして絆」と、2年前の総理大臣就任記者会見で言ったのは、菅前総理。
私たちは、安心して毎日を過ごせるように、国に税金を納めているのではないか?
これでは、まず「自己責任」を国から要求されている。言葉の順番が違うだろう。
と、こんなことを書いていたら、「本日、総務大臣が辞任か」というニュースが流れた。
世の中に飛び交う言葉が、今、空しい。
(参考文献 「今日拾った 言葉たち」(武田砂鉄著 暮しの手帖社刊)
コメント
コメントがありません