デジタル教科書と「考える力」
もう9月に。今日は4日の日曜日。薄曇りだ。
北海道、そして岩手の台風被害がひどい。そんな中、もう次の台風が鹿児島を直撃している。
東日本大地震の被害を受けて、海岸沿いを離れ山側に移転した人が、台風の濁流で、また家を失っていた。お気の毒で言葉が無い。
この夏は、私の住む地域でも避難勧告が出た。数時間で1か月分の雨量だという話がよく出る。地球を囲む大気が変化しているのだろうか。
さて、デジタル教科書の話だ。
この話が出ない日が無いほど、あらゆるところで論じられている。
その中で、8月31日の毎日新聞の「論点」「デジタル教科書の是非」のことを紹介したい。
論者は堀田龍也氏、新井紀子氏、小山勉氏。
その中の新井氏の意見が興味深い。(以下、全部新井氏の意見)
まずタイトルが「考える力は育てられず」である。
「デジタル教科書とタブレット端末を導入することで、子どもの学力や『生きる力』を伸ばせるのか。現状ではそのエビデンスは十分ではなく、教科書がデジタル化する必然性は特にないと考える」
これが「デジタル教科書の是非」への答えである。
さらに新井氏の指摘で面白かったのは、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏のことだ。彼は米紙とのインタビューで「デジタル端末は小さい子どもを依存症にする」と述べ、自分の子どもにタブレットを渡していなかったと明かした、ということだ。
そして、「デジタル教科書とタブレットを中心として教育を設計しますか」と問われれば、心ある教育者は「ノー」と答えるだろう。
これが結びの言葉だ。
どうだろうか。この提起は面白くも興味深い。
デジタル教科書は目的ではない。では、教育の目的は何か。学力を伸ばすことだ。考える力を伸ばすことだ。
デジタル教科書のこれからの展開において、まさしく検証されなければならない問題だろう。今だからこそ。
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