「求む、教頭・副校長」というニュース

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日本標準

5月24日(日)の、朝日新聞のトップ記事である。

昇任試験の志願者が少なく、各地の教育委員会が対策に乗り出している、と書いてある。

なぜか?

担任が入院すれば、かわりの常勤講師をさがし、窓ガラスが割れれば業者に電話する。教員の勤務評価、報告書作成。帰宅は午前0時過ぎ、休みは新学期に1日だけ。

これらの報道を、私は学校現場で直接見聞きして、熟知している。教頭、副校長の先生方は、本当に大変だ。

(もちろん、教諭の先生方の大変さも、熟知しているが。)

苦情をいう保護者に校長が「教頭によく言って聞かせます」と応対するのを聞き、「心が折れた」。

PTA役員から「おい、教頭」と言われ、会費の引き出しを頼まれ、銀行に走ったこともある。「まるで奴隷です。」

調査では、副校長・教頭の4割近くが午前7時までに出勤、午後9時以降に退勤するなど、長時間勤務が常態化している。

世の中では、こういう状況がどこまで知られているだろう?

日本では、学校で仕事をする人の8割以上が教師で、事務職員や司書、カウンセラー等のスタッフは1~2割。

例えばイギリスでは、学校のスタッフのほぼ半分が教師、あとの半分は教師以外の各専門スタッフである。カウンセラーや司書などの。

学校で生じる様々な仕事や問題や課題に、日本では主に先生たちが手分けして対応する。

イギリスでは、それぞれの専門スタッフが対応する。教師は授業に専念する(ことができる)。

教育や学校の実情を理解しようと思うなら、教師以外のスタッフの員数や実態を知るということも、大切なのではなかろうか。

児童数減に応じて、教師の数を減らすという計画が、財務省から出されている(まさか、文科省からではない)。

未来を担う子どもたちに、社会で活躍する力を身に付けさせたいと、強い志を抱いて教師になった人たち。

その人たちが、その教師人生の中で「もう、辞めたい」と愚痴を言い合うようになっているとしたら、それは取り返しのつかないほどの危険信号なのではなかろうか。

 

 

 

 

 

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