アクティブ・ラーニングには歴史がある
「デジタル教科書」の導入が、今日のニュースである。
理由は、誰にでもよくわかる。
簡単に言うと「情報化時代に対応した学習環境の整備」ということだろう。
同時に、その課題が大きいことも、誰にでもよくわかる。
ところでもう一つ、これからの教育についてのキーワード「アクティブ・ラーニング」がある。
一律の教授型授業だけではなく、子どもたちの主体性や積極性を引き出す学習方法の大切さも、よくわかる。
(これも、課題が大きいことは同じだが・・・。)
それについて思っていることがある。
わが(株)日本標準の創業者、石橋勝治のことだ。
石橋勝治は、もともと小学校の教師だった。
岩手県師範学校専攻科を卒業し、大船渡尋常小学校に赴任したのが教師人生のスタートである。
岩手での8年の教師生活の後、東京に出てくる。(ここまでまだ戦前の話である。)
そして戦後、昭和21年4月から、東京の四谷第六国民学校において、「社会」の学習と生活指導を実践した。
大船渡では、子どもたちと学校の裏山に登り、港を出入りする船が積む荷物を語らせた。それは、子どもたちの父親の仕事を通して、社会そのものを学ぶことになった。
教室では、学習の目標を子どもに問い、議長を決め、学習方法を討論させた。学級自治の経営である。
それらの実践記録を学ぶと、一貫して、自主的・自律的な、「自立」した子どもを育てたいという、強い願いがわかる。
私は、創業者の晩年に、その当時実践した授業の様子や工夫について、詳しく聞くことができる環境だった。
学校の存在する意味も、教師の役割も、子どもが主人公であることも、家庭の大切さも学んだ。
だから、そんな私にとっては、「アクティブ・ラーニング」というと、いつも創業者石橋勝治の教育実践を思い浮かべるのである。
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