すべての若者が 生きられる未来を

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日本標準

先週末は、三重まで行ってきた。

往路の新幹線の車窓から見た富士山は、雪が少なかった。

日頃埼玉(山梨側)から見ていると山は真っ白だが、静岡側だと上部三分の一程度か。なるほど、こう違うのかと感じた。

クリティカル・シンキング(複眼的思考)の参考になるなと感じた次第だ。

三重では、長いお付き合いの、私と親しい販売店さんの事務所新築ということで、久しぶりの訪問となった。

事務所新築は、経営者のためではない。そこで働く社員のためなんだな、ということ。これが私の感じたことだ。

新しい事務所は、これから何十年も使える。この事務所を砦にしてさらに会社を発展させるかどうかは、社員であるあなたたち次第だよ、という経営者からのメッセージであると。

暗くなって駅に着き、翌朝早く発ったので、伊勢神宮のお参りの時間も取れなかったのが残念。

 

さて、表題の件だ。

「すべての若者が 生きられる未来を」宮永みち子著 岩波書店を読んでいる。

21世紀の日本は、少ない労働力人口が社会発展の重大なブレーキとなる不安を抱えている。

それにもかかわらず、今の日本は若い世代を社会の共有材として大事に育てようという意識も取り組みも希薄である、という主張が、様々なデータから問題提起されている。

①親から独立し ②自分自身の生活基盤を整え ③職業人として家庭人として社会人として社会に参画する ことができない若者たちとその予備軍が増えているにもかかわらず・・・と。

最終学校を卒業して、すんなり仕事の世界に入るまでの期間は、従来は短かった。それが今日では、高学歴化、晩婚化、独身貴族、パラサイト、フリーター等々の減少の中で長期化している。

その理由は、20世紀型福祉国家(日本のこと)にあった三つの社会経済的条件が崩れたこと。

①持続的な経済成長を背景とした完全雇用 ②豊富な労働力人口と低い高齢者比率という人口構造 ③高い婚姻率と低い離婚率と男性世帯主の賃金収入によって支えられた安定度の高い家族

こうして「学校から仕事への移行」に、大きなリスクが生じるようになったのが現代社会の姿なのだ。

子どもの貧困、ひとり親家庭の増加などは、今学校運営を直撃している。また、非正規雇用の増加という形で卒業生を送り出している。IT化とグローバル化の中で正規雇用は大卒者に限られ、中卒者、高卒、大学中退者は非正規雇用へと押し込められている。・・こんな調子で始まっている。

 

生きるために必要な「基礎・基本」を身に付ける小学校の時から、家庭の所得格差と学力の格差に相関関係があるという。

経済成長の行き詰まり、少子高齢化、1000兆円の借金・・・今日本は大転換を迫られている。

こんなとき国を挙げて教育(しかも公教育)に力を注がなくて、どうして未来を語ることができるのか。

この問題、本をしっかり読んでから、また後日考えていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

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